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アベノミックスに必要なものは [政治経済]

賢者は歴史に学ぶ」と云う。高橋是清の政策に注目し、彼の政策から何を学ぶべきか考えてみよう。                                           民政党から政友会へ政権が移り、大蔵大臣高橋是清が任に当った昭和の初期は、民主党から自民党へ政権交替した平成の此の時代と同様に、世の中は閉塞感と世直し願望に満ち溢れていた。                                                                  是清は昭和7年蔵相に就任するや、恐慌からの脱却を図るため、先ず日銀に依り国債の直接引き受けを行い、続いて軍部からの強い要望と、我が国を取り巻く国際環境を考慮し、大幅な財政出動を軍事費の増加と云う名目で実施した。GNPは昭和711年度は年平均プラス6.1%、インフレ率も1.5%程度の上昇に収まり、物価も安定し、昭和恐慌から早期脱却が出来たかに看られていた。然し、金融緩和と大型財政出動は、所謂リフレ政策であり、一旦「入口」が作られてしまうと留まる処を知らず終局は失敗と云う「出口」に辿り着く。此のリフレ政策は、当時の国際環境から益々エスカレートし出口を失い、9年後には大東亜戦争に突入国家迄破滅させてしまった。                                               

現在の高齢社会に於いて大幅に不足し要求される予算は、何と云っても毎年千二百億円ずつ増加している社会保障費である。之が赤字国債1000兆円を生みだした根源であります。社会保障制度の改革無しには、国家財政は破綻に向かいます。アベノミックスでは、社会保障制度改革と其れに纏わる諸規制の緩和を「第3の矢」経済成長の中心に据えるべきであります。老後も安心出来る安定型社会保障制度を早期に実現し、老後の不安を取り除き、消費マインドのアップを図り、景気回復のサイクルに突入させる政策が必要です。然し、アベノミクスもリフレ政策です。是清のリフレ政策と同じ事が必ず起るとは限らないが、一旦緩和してしまった財政は縮小する事が困難であり、大きな破綻リスクを抱え込む事も確かです。米国ではFRBのバ‐ナンキ議長でさえ退任時期を目前にし、緩和して来た財政を多少なりとも縮小する道筋を立てようと試みたが難しく苦慮しています。第3の矢を放つ際は同時に景気回復の状況を予測し、予め出口である増税の規模と時期を決め、プライムバランスをゼロする財政再建計画を用意する事が必要です。


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