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世界経済の現況とアベノミックスの今後 [経済]

国では長期間継続した金融緩和の出口を見出し、漸く引締めに入り利上げに踏み切った。その影響で新興国のドルは米国に逆流し景気は急転直下低迷した。中国では過剰在庫と景気低迷に苦しみGDPの前年比上昇率が7%を割った。OPECでは生産調整が出来ず原油はバーレル当たり26ドル台にまで下落した。シリアでは内戦とイスラム国の進撃、米ソ欧の空爆で、難民流出が続き欧州諸国は対策に困窮している。核兵器疑惑の解明に依りイラン制裁が解除されサウジーイラン間の軋轢が昂じ両国は国交断絶に至る。等々要因が続出し、世界は同時株安の様相を呈し、我が国の株価も年初から下げ止まらない。首相がアベノミックスの成果だと云われる株価上昇も雇用増も此処に来て一服感がある。日銀の通貨政策だけが頼りで政府主体の財政改革も、景気対策も殆ど無い中、日経平均は年初来略3000円も下落し、雇用増に至っては非正規労働者比率が40%を超え、其の社会保険加入率の低さを考え合わせれば、以後に多くの問題を抱える。何等具体策を持たないアベノミックスは此処に至って脆くも頓挫してしまった様だ。然し、之だけでアベノックスの評価をするのは早計に過ぎる。真価を問うのは之からで、6月の参院選及び来年4月の消費税再引上げ迄に政府の掲げる景気対策如何に懸っている。世界原油安及び中国の景気低迷が時を同じうして起こり世界同時株安の中、後進国の経済状況と米国内の市場状況を鑑みてFRBのイエレン議長は予定していた再利上げを思い留まった。経済成長を掲げるアベノミックスの真価は今後1年数か月間に政府がどの様な対策を掲げるか?に懸っ来る何故ならば、首相は株価上昇と雇用創出はアベノミックスに依ると公言するが、之で株価が上昇し雇用を創出したと思い当たる処は全く見出せない。雇用創出も株価上昇も唯々日銀が独自の判断で実施した金融緩和に依る円安効果で輸出産業が好況を呈した結果である。政府と日銀の関係を述べれば「中央銀行は政府からは独立し、独自の判断で業務を遂行する機関」であり。政府は之を操作する事がない。之までは唯々黒田総裁の決断に依る異例の金融緩和が功を奏したとしか云い様が無い。惹いて安倍政権の功を挙げるとすれば黒田東彦を日銀総裁に推挙した事ぐらいである。

世界が同時不況の様相を呈し、且つ円高で、輸出に依る経済成長が望めない現況下、金融緩和に依る輸出中心の経済成長は限界である。経済重視の安倍政権が今後どの様な内需拡張策を示し、経済成長を成し得るか?腕の見せ処である。見どころは来年4月の消費税再引き上げ?或いは、今後どの様な内需中心の経済成長策をタイミングよく打ち出すか?政府と中央銀行双方の対策が相まって始めてデフレが収まり景気は回復する。何れ片方だけでは如何ともし難い。アベノミックス本来の見せ場は之からであろう。                                                                     


一喜一憂 [経済]

FRBでリーマンショックで急落した景気の回復を目指し、一昨年9月以来継続して莫大な量の金融緩和(QR)を実施して参りました。此の状態を長期間続ける事は、米国だけに留まらず、他国の特に新興国の資金需給バランスを乱し、惹いては世界経済に悪影響を及ぼす恐れもあります。市場の状況を観察し早期に之を終了させたいと出口を模索していました。漸く米国市場は回復したと判断したFRBでは、バ‐ナンキ議長退任を前に、昨年12月、月当り100億ドル(約1兆円)供給量を減らし、市場に流す金額を月当り750億ドル(7兆7千億円)に抑える緩和策の縮小に踏み切りました。 

尚、昨年12月米国では、失業率が6.7%に改善、10~12月期のGDPも年率換算3.2%の伸びがありました。之等を考慮し、本年1月29日イエレン新議長のもと開かれたFRB会議でも前回同様の緩和縮小を決定致しました。同様な市場状況が続けば、今後も同様の緩和縮小は継続され、年末には2012年9月以来実施して来た量的緩和は終了するものと思われています。

然し、膨大な量的緩和(この間の緩和総額は凡そ125兆円を超える)の影響もあり、縮小に入り、やがて緩和マネーの回収も考慮すれば、景気も停滞し、特に新興国に於ては投資マネーの流出量も増加し、景気は悪化します。南ア連邦やトルコでは既に利上げを実施し、自国通貨の暴落を防ぐ構えを見せましたが、殆ど効果は見られません。「世界同時株安」の兆しは一段と顕わになりました。東京証券市場も例外では無く外国人投資家に依る投資マネーの引き上げが顕著になり、日経平均終値も15.000円を割込みました。暫く成り行きを観察し、アベノミックスで漸く取り戻した景気に腰折れの兆しが伺われる様ならば消費税引き上げ時期を延期する等諸々の対策を検討しなくては? 

   日経平均14、914円 (H26.1/31終値) 為替レート 1ドル102円41銭

    


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