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民主政治の危機はこの様に始まる? [政治]

倒幕に成功した薩長連合軍は維新政府を立ち上げ、明治憲法の下、、立憲君主制を執った。其の為、我が国の主権は天皇に有った。其の主権を維新政府の陸軍参謀本部が干犯し、思う侭に大陸に出兵し、日清、日露の戦いに勝利し、大東亜戦争に突入し、此の国を壊滅させてしまった。此の期間を司馬竜太郎は著書「此の国のかたち」に「異胎の四十年」と著し、鎖国迄して平和主義を貫き通した日本の歴史に類を見ぬ「異胎の時代」と云っている。 総理大臣として安倍晋三がデビューした際には其の時代の何処に郷愁を覚えたか・・・「美しい国ニッポン」と称し内閣の標題に掲げ実現を試みた。然し病で退任し、 再び党首として総理大臣に返り咲いた折には「戦後レジュームよりの脱却」を目指すと宣言した。戦後レジュームは先の敗戦に依り漸く私達が手にした主権在民を基本として個々の人権を尊重する思想の政治体制であり、民主主義の根幹でもある。其の内容を基本に据えた新憲法には先の大戦の反省から不戦を誓う武装解除も含まれている。之等は戦後私達が手に入れ経験して来た諸々の事柄である。之等の何が不足で脱却を目指すのか?・・・ 検察庁検事長の定年延期問題 国会は立法権、検察は司法権、内閣は行政権を持つ。この三権が其々の部署に分立してあり互いに侵す事なければ公正な政治が成り立つ。然るに、例え国家公務員と雖も、内閣総理大臣が司法に係る検事長を検事総長に昇進させる目的で、定年の延長を図り、森友、家計、桜を見る会等々、在任中自己が関係した諸々の行為に関する裁判を有利に運ばせようと試みた件が認められる様では、三権分立も無きに等しく、主権在民の下、公正な政治が行われ難くなり、独裁政権を作り出す恐れを招く。 只一つの経済政策アベノミックスは失敗に終わり、福島第一原発の事故後の管理状況をIOCの委員達を前にアンダーコントロールと迄云う偽言を吐き、迎え入れた任期ぎりぎりの2023年9月に始まる様にセットした東京オリンピックが中止にでもなれば、本当に長いだけで何一つレガシーとなる成果の無い内閣が「戦後レジュームよりの脱却」を目指し、年老いた親達と約束した拉致問題の解決を始め北方四島返還や、蔓延中のコロナ対策等々重要課題の全てを投げ打って戦後レジュームの要でも在る新憲法の改訂只一点に執着し、レガシー作りを画策する姿は余りにも異常であり、見当違いも甚だしい。・・・国会議員の半数近くを抱える第一党の党首でもある総理大臣の思考が、多くの国民の思う処の医療、介護、保育、教育等々の国民生活に直接関連する生活重視と此の様に遠く離れてしまった事は、嘗ての自民党には無かった。其の結果が最近の内閣不支持率上昇にも繋がっている様に思う。  だが・・・果たして戦後レジュームより脱却して、何処へ向かわんとするか?・・・
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八犬伝

自分しか考えていないですからね
国民の方なんて、ひとつも見ようとしない
ここまでびどい政権
なかったですね。

早くやめろ
それしか、言うことはありません。
by 八犬伝 (2020-08-12 11:39) 

四辻の狸

八犬伝様
コメント有難う御座います。
総理大臣を8名も輩出した長州閥政治の伝統は、吉田松陰の松下村塾の薫陶を得た塾生が松陰の「覇権思想」を実践した事に始まります。倒幕を始め、日清、日露の戦いで英国の助けを借り漁夫の利を得た事に始まり、大東亜戦争に突入此の国を破滅に導きました。此の明治大正時代を「美しい国ニッポン」と称し憧れ、大戦に敗れ私達が初めて手にした「基本的人権を護る」戦後レジュームを忌み、其れ等より脱却を心掛け、憲法を改定する事を望むのが安倍政治の根幹です。
by 四辻の狸 (2020-08-21 00:07) 

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