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アベのミックスとコロナ対策を辿る [政治経済]

政府の金融政策は、ある意味「現代金融論・MMT」実践型とも云える。然し、MMTはあくまで一つの理論に過ぎず、政府の掲げる目標到達の成否は、当然の事乍ら、打ち出す政策と其の遂行手法如何で大きく変化する。我が国はリーマンショック後の立ち直りが遅く、世界から其の間を「失われた10年」と迄云われているが、未だに日銀の目標とする2%の物価上昇も叶わず、依然、デフレ傾向から脱却出来ていないのが実情である。 斯様な状況の下、既に、累計1000兆円を上廻る財政赤字を抱えているにも拘わらず、本年度も又々、税収不足分を赤字手形で補い、史上初の100兆円を上廻る大型予算を成立させた。そして首相は、長期に亘る政権を司り乍ら、未だ、何一つ実績の無い焦燥感からか、唯一つの経済政策でもあるアベノミックスをレガシーとして後世に残すべく、此の国が恰も社会主義統制国家にでもなってしまったかの如く「内部留保を削減せよ」とか、やれ「従業員の給与をアップせよ」とか幾度となく強く企業主に要求して来た。・・・然し、企業主からの回答は当然乍ら期待を遥かに裏切る結果であった様に思う・・・行く先が不透明で、不安に満ちた現在の様な社会では、満一に備え自己防衛の為に、企業は内部留保を、個人は貯蓄に精を出す。・・・アベノミックスに云う“トリクルダウン等は夢のまた夢”であろう。「此の先、当社はどうなってしまうのか?」とか、「存続は可能か?」「従業員は生計の維持が出来るのか?」等々、不安に怯え悩むものがトリクルダウン等する筈が無い。之等の不安を解消する手立て(政策)が政府には全く無い。・・・ 先頃まで「Japan as no1」と云って居た此の国が、僅かの間に中国のみならず、台湾や韓国に迄、経済的に脅かされる始末である。之は、正に自業自得、為政者の責任であろう・・・為政者は企業や個人にとやかく要求する前に、自分達の政治手法や政策は之で他に選択肢は無いか?確りと胸に手を宛て考え、手を打つ(政策を発表する)必要があった。そして、より多様性が有り、多くの国民が納得出来る不安解消策を早期に打ち出さねばならなかったのだ。・・・ 其れも無しに、突然、コロナ禍に襲われた。リーマンショック時の反省もあってか?膨大な費用を積み上げて対策に走った。結果は明らかである。・・・長年積み重ねて来た無策を金で買い戻す事など出来ない!そんな事すら理解出来ぬ政府は・・・何と!当年度予算102兆6580億円、其の上、第1次25兆6千914億円更に第2次31兆9114億円の補正予算を積み上げたのである・・・そして、之を「世界一の対策」等と声高に豪語する・・・そんなに自慢する様な事ではないだろう!恥の上塗りである。現政権ではとても清算出来ぬ、否、財政赤字の清算など頭の片隅にも無い、間も無く1200兆円にも達するであろう財政赤字を抱え、憑けは全て孫や子の代に廻し・・・今さえよければ、後はどうなってもかまわない・・・惹いて云えば「私の政権時さえ何とかなれば」と考え、他に何の責任も感じないオポチュニズム其のものである。・・・昔から「政治は100年の大計を」と云はれるが・・・灰塵と化した此の国を、戦後、僅か40年で「Japan as No1」と云われる迄に育て上げ、支えて来た往時の与党議員には、党首に諂うだけの情けない議員など一人も居らなかった。往時の与党議員を懐かしく思う・・・其の与党議員の気骨を同じ党である現在の与党議員にも是非見せて戴きたいものである。・・・ MTT現代金融論では、金融緩和(赤字手形の発行=財政赤字の増加)は、金利の高低ではなく、インフレーションの状況を良く調査、観察して対応する事がより重要である。とされている。・・・ 先に此のブログにも記したが・・・コロナ禍で商品の生産が殆どSTOP状態の処へ、生活支援が大部分を占める世界一多額な金融支援に依り、通貨流通量が急増すれば、当然、物価は高騰する。・・・不景気下の物価高騰(インフレーション)・即ちスタグフレーションである
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此の財政赤字の解消?は、預金封鎖及びデノミネーションと新紙幣発行と云う者も居る様だが・・・     例)一千分の1のデノミなら・・・ 旧紙幣千円=新紙幣1円・一千万円の旧預金=1万円の新預金・ 我が国の財政赤字累計額千二百兆円=1兆二千万円・・・ 然し、一千分の一のデノミで新通貨の呼称額は旧通貨の千分の一になるが、物価は需給及び其の他諸々の影響も有り、必ずしも一千分の一になるとは限らない。 否、其の様にならぬ考察の方が遥かに多い。其の上、為替レートの調整も困難・・・ 更に、インフレーションが続けば・・・デフォルトの可能性も大・・・
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新コロナ蔓延後(post corona)の社会 NO2 [史実]

17世紀、ペストがロンドンを中心に再びパンデミックを引き起こした。其の影響で大学も閉鎖され,学位を得たばかりの若きニュートンも自粛生活を余儀なくされた。僅か一年半の間だが故郷で親の営む農場の手伝をしていた。そんな或る日、何時もの様に納屋に引き籠り体を休めていたニュートンは、壁の穴から差し込む光を見つけ、「差し込んでいる陽光は白いのに、なぜ壁に映る光は7色なのだろう?と、ふと思った。考え抜いた末、光の正体は屈折率の異なる線である事を発見した。だが、母親は息子の才能に気付く事も無く、農作業をさぼる怠け癖を嘆くばかりであったと言う。・・・ 此の僅か一年半の間にニュートンは「光学」の他「万有引力」や「微積分」と云った画期的な発見もした。然し、パンデミックが終わった後、大学に戻って研究に打ち込むが自粛中の様な大発見は無かったと云う。講義は下手で聴講性は少なく、人生の後半は猫を心の友として過ごしたとも云はれる。若し此のパンデミックが無かったら、ニュートンは20代前半の若さで、短期間に之等重要な発見を3つも成し遂げる事は出来なかったかも知れない。と語った東京理科大学・川村靖文教授の挿話が昨日の朝日新聞の「天声人語」欄に掲載されていた。・・・ 今回の新コロナ騒動も、運が悪ければ死を招く、恐ろしくて煩わしいばかりで規制の多い騒動で有り、其れを避けるには自粛等、負の遺産ばかりを想定しがちである。・・・ 然し、何故͡?此の様にウイルスが蔓延し、禍が収まった後に、決まって歴史上の大発見や画期的な新時代が到来したのだろうか?不思議に思っていた。・・・ 一方、此の様に大きな禍に見舞われた最中の自粛は、誰もが嫌う、ウイルスから避難するだけで、其れ以外何の取り得もない煩わしい規制だと思っていた・・・ ウイルスに依る禍其のものは多数の人々を死滅させ、場合によっては、人間社会をも破滅させ兼ねぬ実に恐ろしものであるだけに、其れを防ぐ効果を期待する自粛生活にも亦、禍と云う敵に負けぬ位の普段の生活ではとても有り得ない、誰からも干渉されぬ貴重な時間や空間があったのだ・・・ ウイルスに依るの禍を克服した後に、歴史上の大発見や、画期的な新時代を実現、提供して来た偉人達は、全て此の空間や時間を活用した者達ではなかったのか?・・・と天声人語は暗に語っている。後世に名を残す様な偉人達は其の時間と空間を活用し、自己が本来持ち合わせている才能の下、誰もが想像さえし得ない素晴らしいものを見つけ出し、次世代に提供して来ていたのでは?と思う。 vcm_s_kf_m160_160x106.jpg
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コロナ騒動後の社会は・・・ [政治経済]

コロナ騒動後には、私達が経験した社会とは全く別の新しい社会が出現する様に思う。人類の歴史は一面から見ればウイルスとの闘いの歴史であるとも言われる。天然痘を始め、ペストやスペイン風邪等々人類が経験した新ウイルス被害克服後に現れた社会を顧みれば歴然とする。エポックメイキングに新時代の社会に移行している。コロナウイルスの蔓延後も、多分、其の様に変わるだろう・・・ 特に我が国の様に多くの中小零細企業の努力によって支えられる、然も、少子高齢化の極端に進んだ成熟社会では、現政権が執行する様な大企業中心の不安定で他力本願な外需主導型の政策や、憑けを孫や子の世代に廻す赤字国債乱発に依る軍備増強や自党議席増を狙った法外に冗費の多い社会保障等が大部分を占める大型予算の執行は即座に取り止め、生活安定に直接繋がる、然も需要の多い医療、介護、保育、教育、等々内需主導で堅実な予算執行の政権に代わるだろう・・・ 加えて、地球上いくつもの大きなプレートが潜り込み、大地震が頻繁に襲う地点に位置する此の国では、震災や津波対策は勿論の事だが、温暖化に伴う特大な風水害に備える国土強靭化や化石燃料や原発等危険因子の多いエネルギー主導からも脱却し、安全で再生可能な自然エネルギー主導の政権に転換するだろう・・・ 其の様な中に有って、核の傘の威力を信じ外交努力を軽んじ、民意を向こうに廻して完成も覚束ない沖縄の辺野古に大枚をつぎ込み米軍基地造成を試みる事や、イージスショア―を数機も設置し、小型空母を建造しF35戦闘機を大量に購入する等は、専守防衛の域を大幅に逸脱している。正に仮想する敵国と戦う為の軍備増強其のものである。・・・之等は覇権を争う米・中二大強国の狭間に有る此の国がなすべき事では決して無い!・・・此の国は両国の軋轢の硲に埋没し消滅してしまう。大多数の国民は其れを恐れ忌避している。・・・post coronaには国民一人一人の生活を大切に思う社会保障の行き届いた内需主導型で堅実な政策を執行する政権に転換する事は必至である。・・・万が一にも此の侭の政策や政権が続くならば、此の国は外国に攻撃され滅びる以前に社会保障の貧弱さと脆弱な国土に依る災害により滅亡する・・・そうでなくとも覇権を争う二大強国の硲に有って、両国の軋轢で消滅する・・・ ポスト・コロナに国民が望む事は「憲法改訂や防衛力増強」に依る国力増強では無く、平和国家を前提とする「主権者たる国民の生活を大切にする堅実な社会保障と国土強靭化に依る生活環境の整備」である。其れが高齢化した国民生活の安定を図り、行く末の不安を解消し、貯蓄性向を弱め、更なる内需拡大へと繋がり、コロナ騒動で極端に落ち込んだ景気を再生させる。・・・ DSC00100.JPG
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