SSブログ

30年後の孫達を思って [科学]

先日、孫の入学式があった。此の子等が社会人となる頃の世の中はどう変わっているだろうか?私達の生活に欠く事の出来ない電力の基本となるエネルギーの問題を中心に少し考えてみました。
現在の儘、化石燃料を継続利用しては温暖化が益々進み、地球は人間の住めない星になってしまいます。その意味では原子力発電はある種クリーンに電力を供給出来る方法であるかもしれない? 先日、福井地裁で関西電力の高浜原発3,4号機の稼働を差し止める仮処分が決定した。一方、鹿児島地裁では川内原発の運転差し止め仮処分申請を却下する判決が出された。其々異なる判決が出され、司法判断が二分した。然し、両地裁の判断は、飽く迄稼働中の原発の安全性を考慮して為された判断であると言える。
然し、原発の耐用年数は40年と定められている。40年経って再審査に合格すれば、最長20年間の稼働を認められる。既に耐用年限が到来し、審査請求の出ている原発が十数基あると聞く。福島原発の事故当時、我が国の原発は50数基稼働していた。今から4年ほど前の話だ。とすると、今後30数年の間に此の国の原発の大部分は耐用期限を迎える事になる。万一耐用期限の延長が認められても、何れ廃炉に到る運命である。処が此の廃炉が又々大問題である。         廃炉後の原発について考えてみる事にする。 事故後30数年経過した例のチェルノブイリ原発も廃炉後の石棺維持管理作業に難渋していると聞く。石棺作業完了後も放射能が人体に与える影響を考慮すると、元素によっても異なるが、かなり長期間石棺の維持管理を継続し、放射能漏れの無い状態を保ち続ける必要が有る。(物理的半減期を参考)例えコンクリートと鉄筋で固めた石棺と雖も数十年で劣化が始まる。其の修復管理作業は放射能が人体に与える影響が無くなる迄継続しなければならない。現在、わが国にある原発も30数年から50年の間には全て石の棺桶で覆う作業に取り掛かる必要が有る。跡地の再利用は難しい。現在原発のある街は石の棺桶に囲まれたゴーストタウンと化す。石棺及び使用済み核燃料の保管と関連諸設備の維持管理は現在の知見では、ほぼ永遠に終わらせる事は出来ないと云はれる。私企業である電力会社にその様な事は出来ない。此れ等に関わる費用を原価参入した場合、私企業の採算性を保つ事は不可能である。原発を再稼働しても、脱原発をしても、耐用年限経過後の廃炉処理及び廃炉後の維持管理は私企業には不可能である。国が税金で行う他ない。廃炉後の石棺及び使用済み核燃料保管場所の維持管理に関しては、未だ、我が国の科学的知見は研究の域を脱して居らず、今後の研究が待たれている。国家主導で此れ等に関わる問題の更なる研究を強力に推進しなければならない。                             その様な訳で現時点で原子力発電を推進する事は無責任の極みである。科学が進歩し、やがて核に依る放射能が人体に及ぼす被害を無くす事が可能になる迄、原発は暫時停止し、風力、水力、太陽、地熱、波力、等々の自然エネルギーを効率良く利用する事を推進すべきではないか?又、最近原発推進を社是とする電力会社及び一部協力科学者の間で、未だ開発途上でしか無い多くの問題を抱えた此の原発の耐用年数延長が話題に為り始めている。先の事故の反省も無い儘、利益の為ならどのような危険も厭わない物騒な輩が世の中に蔓延る前に何とかしなければならない。

      



                                     


nice!(43)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 43

コメント 2

johncomeback

廃炉を考慮すると、原発のコストパフォーマンスは良くないっていうか
完全な廃炉にどれだけのコストが必要か分かっていませんよね。
by johncomeback (2015-04-23 22:55) 

lamer

第五福竜丸の船員さん達が殆ど亡くなり生き残った方も
子どもを作る事が出来なくなったと聞きます。
核の影響は計り知れません。
そして原発ですが使用済み核燃料の処理方法も出来ずに原発を
造るのも使うのも再稼働も在ってはならないのではないでしょうか?
by lamer (2015-04-24 18:42) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。