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二本松少年隊 [旅行]

3月下旬、久し振りに岳温泉に遊んだ。東京駅は22番線ホームで落ち合い、郡山駅で東北本線に乗り換え二本松駅に降り立つ。駅舎を出たとたん、先ず目に付いたのが鉢巻をキリリと締め、刀を振りかざした少年の像である。・・・・台座には・二本松少年隊士像・「霞城の太刀風」・と刻まれている。
鳥羽伏見の戦いに続き、戊辰戦争が始まり、京都守護職であった会津藩主松平容保を目の仇と狙う薩長連合の官軍は錦の御旗を掲げ、会津は鶴ヶ城を目指し怒涛の進撃を開始した。東北諸藩は、「奥羽越列藩同盟」を結成し之に立ち向かった。・・・・其の頃、二本松藩では西洋流砲術師範の長男木村銃太郎が、江戸での修業を終え二本松に戻り、砲術指南をしていた。(NHKの大河ドラマ「八重の桜」でも取り上げられた、二本松藩の少年隊は銃太郎と其の門下生=13歳を最年少とするあどけない少年ばかりである。)・・・・二本松藩は各藩に応援兵を出し、中でも白河小峰城へ出した援軍の武士達が戻らぬ内は、城内、城下は空虚同然であった。折しも7000を超える新政府軍は周辺にまで迫り、猛烈な勢いで攻め込んで来た。城を守る正規軍は殆どおらず、僅かな老兵と銃太郎率いる少年隊があるのみ。城代家老で軍事総督の丹羽富穀は、止むを得ず、断腸の思いで木村銃太郎を隊長とする此の少年達に出陣の許可をした。銃太郎率いる砲術部隊は最大の激戦地、城南の大壇口(おおだんぐち)に出陣、門下生16人を含む25人の少年隊士は果敢に応戦した。他に12歳から17歳の少年も此れに續き、合わせて62人の少年達が官軍に立ち向かった。然し、多勢に無勢、刀折れ矢弾尽き、少年隊は隊長の木村が先ず戦死。更に副隊長も後に続き、14名の少年達が此処に命を落とした。二本松藩主丹羽家菩提所「大隣寺」の境内には隊長木村銃太郎、副隊長二階堂衛守を含む少年隊戦死者14人の供養塔が建立されている。維新の夜明けを待たず、愛する郷土及び家族を守るため激戦の果てに散った少年隊士を弔う参詣者の献花と香煙は、今なおその悲劇を伝えている。此の戦いに殉じた純粋可憐な少年達は、会津白虎隊に優るとも劣らないと伝えられる。

 




















 




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沖田 翼

初めまして。沖田と申します。

この度はbit日記への訪問・niceをありがとうございました。
また、機会があればよろしくお願いします。
by 沖田 翼 (2017-04-05 21:02) 

majyo

本日の私の記事に
史上「異胎の40年」と最近の政情をご紹介させて頂きました
この辺の事は書けないのですが、そうだろうと思っていました
by majyo (2017-04-06 19:49) 

ぼくあずさ

nice賜り、非常感謝。
私の曾祖母は上野戦争に敗れ武蔵伊奈に落ち延びた旗本の
娘です。思わず筆を執りました。
by ぼくあずさ (2017-04-08 16:21) 

OJJ

一昨年秋、安達太良山へ行った時(岳温泉泊まり)、二本松で見ました。
ロープウエイで登ったのに山頂では雨交じりの強風でツアーの人たちは山頂はパスするほどで。奥羽列藩は靖国神社には繋がっていないのですね、その辺りが良く分らん!
by OJJ (2017-04-09 10:08) 

四辻の狸

OJJ様nice&comment有難うございます。
維新後は薩、長、土が政権を担っていた為です。勝てば官軍の歴史です。然し、尊王攘夷は倒幕の謳い文句に過ぎず、幕府が返上した政権は天皇に戻さず、意の儘に利用しました。攘夷に至っては、西欧に擦り寄り「鹿鳴館」等に血道を挙げる様に急変しました。そして、日清、日露、戦争の勝利は両国の弱体化を利用した「漁夫の利」其のもので、此の勝利を過信し、大東亜戦争に迄突入し、惨憺たる結末を招きました。私達の習った日本の近代史は維新後此の国を担った薩長土政権によるものです。

by 四辻の狸 (2017-04-09 17:14) 

ナツパパ

二本松には知り合いがいて以前行ったことがあります。
石に漢詩が刻まれていましたっけ。
記事のお話は初めて伺いました。
少年の犠牲は一層悲しく感じられます。
by ナツパパ (2017-04-17 15:15) 

四辻の狸

ナツパパ様
コメント有難う御座居ます。
昭和28年高卒同級生の会で毎年3~4回位の割合で温泉巡りをしています。皆んな80歳を過ぎた御迎え前の好々爺です。
最初から数えると、悠に20回を超えましたが、体力の続く限り参加しようと思っています。

by 四辻の狸 (2017-04-17 17:27) 

majyo

一昨日飯盛山へ行きました。その時に二本松少年隊の事も
資料に書かれていました。
前にもこちらへ行っていますが、その時とは違う感情で
白虎隊の事を考えました
by majyo (2017-04-20 19:40) 

四辻の狸

majyo様コメント有難う御座います。
「勝てば官軍」例え賊軍と雖も彼等の様に未来有る少年達が
使命に燃えて命を投げ出す様な戦は全て大人達の責任です。
神風特攻隊・ジハード・等々・・・正義とは何ぞや?
決して時の権力者に諂う事ではありません。
賊軍が正道を歩んでいた歴史は沢山有ります。
教育とは?時の権力者の為になされる事だと承知はしても此の不条理は永遠に続いています。
by 四辻の狸 (2017-04-23 10:46) 

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