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少子高齢化のスエ―デンに学ぶ3・4・ [社会保障]

3・年金制度改革の断行(基礎年金の廃止) 

スウェーデンでも、20世紀後半から少子高齢化が進み、年金支出が徐々に膨らんでいった。1980年代後半に生じたバブルが1990年代初頭に弾け、我が国同様に財政が一気に赤字へと転じた。巨額な財政赤字のもと、公的年金制度を維持する事が困難な状況に陥った。危機感を持ったスウェーデン政府は、持続可能な制度を目指し、1999年に公的年金制度に大ナタを振るった。それは、国民の痛みを伴うものであった。基礎年金プラス所得比例年金の2階建ての年金制度から、所得比例年金のみの年金制度に移行した。高齢者の生活保護的な最低保障年金制度を残しながらも、国民一律の基礎年金を廃止した。 国民に政府の財政状況を訴え、国民の痛みを伴う改革を断行した。国民はそれを受け入れた。世界は、政府に対するスウェーデン国民の信頼の高さに驚くと共に、スウェーデンの公的年金制度改革を称賛した。

4・定年延長提言の真意は?

処が、その公的年金制度は基礎年金を廃止したにも関わらず、再び行き詰まり、20122月、穏健党のラインフェルト首相は、年金支給開始年齢の75歳引き上げに言及した。この発言に対して今度は、国民が納得しなかった。勿論、マスコミや野党も一斉に反発した。そして、政府に対する不信が高まってしまった。

スウェーデンの公的年金には、日本以上に多額の税金が投入されているにも拘らず維持が難しくなってしまった。少子高齢化が進んでいる事もあるが、最大の原因は再びの財政赤字である。リーマンショックや移民の急増等等に依り一層景気が悪化し、財政赤字が再び拡大してしまった。此の侭ではとても公的年金制度を支え切れぬとの危機感から、公的年金への支出を何とか切り詰めたいと考え、首相が打ち上げたのが年金支給開始年齢の75歳への引き上げである。此れに国民やマスコミは猛反発した。 ラインフェルト首相の年金制度の廃止に等しいとも取れる今回の発言には、別に真意が有った。然し、マスコミでは、其の真意は報道されていない。

JF・ラインフェルト=経済学者(John Frederic Reinfeldt:スウェーデンの第42代首相(20062014)




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侘び助

年金・当たり前のように受け取っていますが
この先どうなるのでしょうか?現役の人達の老後を思うと
無駄遣いは出来ないですね(足りないなんて口にも出せない)
by 侘び助 (2017-01-14 17:27) 

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