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親達が作った生涯支援可能な施設と法人成年後見人 [福祉]

40年位前の事ですが、高熱の末、次男が重度知的障害になりました。当時は障害者の入所支援施設等殆ど無い状態で、保護者は生活費を得る為の仕事と家庭内での重度障害者養育の両立が困難で、子供を道ずれに命を絶つ者が後を絶たない時代でもありました。何とかしなければと焦りましたが、とても、独力で解決出来る様な問題ではありませんでした。試行錯誤の末、同じ問題に悩む多くの親達が力を合わせ解決する以外に道は無いとの結論に達しました。早速親達に呼びかけ、社会福祉法人を立ち上げ、行政や支援団体の力を借り施設を作り、子供達は其処で養育し、親達は正業に励みながら、法人の運営に協力する形で施設を護って行く事に致しました。

現在では、特別支援学校高等部迄は公立で整っていますが、卒業後の重い障害者達は、社会に放置された侭の方が多く、親亡き後も生涯を通し一貫して支援の受けられる場所等、殆ど見当たりません。之が累積犯罪者やホームレス等を生みだす要因ともなり、社会問題化しております。

当事者が運営に係わる社会福祉法人として私達は略40年間此れ等の問題と正面から取り組んで参りました。

特別支援学校卒業後の重度障害者向けに2ヵ所の通所支援施設。6ヶ所のケアーホームを備えた日中支援施設。日中活動の場を併設した入所支援施設。3ユニットに編成された特別養護老人ホーム等を展開しています。其の上、身内も無く無縁になってしまった方々の為に墓地も用意しました。

今回の入所支援施設改修に合わせて重症心身障害者にも対応出来る設備も整える予定です。vcm_s_kf_repr_832x624.jpg之が完成しますと、念願の「特別支援学校卒業後も生涯を通し支援可能な設備及びシステム」が、小規模ながら一応整う予定です。

一方、親達に依って「親亡き後」利用者達に起る諸問題を案じ、「成年後見人制度」とも取り組み、平成12年の民法改正(法人成年後見人制度)に合わせて、親や兄弟達が亡くなった後にも支障を来たさず、引き続き法人の運営する施設の中から利用者にとって最適な場所を選び、利用し乍ら生涯を全う出来る様に成年後見を行うNPO法人を設立し、親若しくは兄弟と合わせた複数後見人制度を活用した支援活動を続けて居ります。

(入所支援施設の改修が始まりました。8月中には第1次改修計画が完了し、ユニット制の新しいシステムで1次入居予定者の入居ができる予定です。)


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SORI

すばらしい活動を長年続けられてきたことに感服いたしました。これからの活動も期待しております。
by SORI (2013-04-26 22:48) 

森田惠子

しょうがいを表記する時、私は「障碍」という文字を使っています。旧字です。
石が邪魔をして何かを得ることが難しいという意味だそうです。
「障害」という文字には抵抗があります。
でも、考え方はいろいろで、意識して「障害」と表記して、医療や福祉に
関わっている方もおられます。

大切なのは、豊かな発想だと思っています。

by 森田惠子 (2013-04-27 09:37) 

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